最近、様々なダイエット情報が簡単に入手できるようになり、混乱している人もみかけます。例えば、朝食はダイエットには是か否か。モデルさんなどでダイエット情報を発信している方の記事を読むと、朝食はしっかり食べないとかえって飢餓の状態が体に悪いと書いておられるようです。それに続けて、朝ならばハンバーガーなど高カロリーなものもたっぷり食べても、体を活動させる前だから大丈夫だと主張しています。一部の医師にもこの立場をとる人もいるため、完全に間違っているとまでは言いにくいのですが、実際にはこれはあまり良くない方法です。石原結実医師や甲田光雄医師が主張されているとおり、朝食は消化の良いものを軽くとるのがベストです。彼ら食事療法の大家は、朝食のかわりに、にんじんジュースや生姜はちみつ紅茶、青汁などを勧めておられます。石原医師の方法では、さらに、昼食は蕎麦やうどん、おにぎりなど軽くとり、夜の食事は普通に食べて良いと説いておられます。甲田医師は玄米や青汁を使いますので、一般人には難しい部分もありますが、病気治療にはすばらしい効果を発揮します。
断食の健康効果
肥満に悩む患者さんに、朝だけにんじんジュースにする食事療法を実践してもらい、ダイエットに成功させた例は多いです。なぜ、朝食を抜くと健康に悪いかというと、低血糖をまねき、脳が飢餓状態になるからです。脳が飢餓状態になると代謝が低下し、体が冷えて、皮下脂肪や内臓脂肪が貯まりやすくなるのです。しかし、にんじんジュースや生姜はちみつ紅茶などで糖質を補う場合はこの問題はおきません。そもそも、睡眠中は消化器官は休息しています。これは一種の断食状態といえます。普通、断食あけには、いきなり高カロリーのこってりした食事はとりません。イスラム教徒など月に一度の断食を習慣にする民族のやり方を見ても、断食あけには、軽くて消化の良いものを少量食べます。休息していた内臓にいきなり負担をかけない配慮をしているのです。この理屈がわかれば、朝からたっぷり高カロリー食をとることは、内臓にいらざる負担をかけて痛めつけているとわかります。朝だけバナナダイエットも朝食による胃腸への負担を減らして必要な糖質は消化の良いバナナでとるという形ですから食事療法の大家の教えにかなっています。朝だけバナナダイエットで効果がある人がたくさん出たようですが、間違っていなかったというわけです。いずれにしても本書を読めばわかるように、食べないことこそ、もっとも効果的なアンチエイジングの手段なのです。