無農薬自然栽培~木村秋則の農業哲学

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木村秋則さんの指導されている自然栽培は、自然の生態系のもつ力を活用した農業です。もちろんそれは、何もしないというものではありません。それどころか、たいへん手間のかかるものでもあります。野や山の自然に生えている植物は、厳しい生存競争を乗り越えて、そこで育っています。人間の畑や田んぼは、人間がそこに育てようとする特定の作物を生存競争に勝たせて育てます。イネを育てるためには田んぼに生えてくるヒエを排除しなければなりません。

自然農法と病害虫

農薬の使用が世界中に広がったのは、この排除ということに農薬が大きな力を発揮したからだと木村さんはいいます。リンゴは日本の青森という環境では、きわめて生存競争において弱小の作物だったのです。リンゴの品種は、農薬栽培が普及してから改良されていますので、農薬なしでは育たないとも言われていました。しかし、農薬は、生存競争の相手を滅ぼすだけでなく、リンゴのと周囲の自然との協力関係も破壊して、ますますリンゴを弱くしていたのです。肥料も同じです。肥料を与えられることで、作物は自分の力で地中から栄養を吸収する能力を弱められていたのです。木村秋則さんはこの考え方に基づき、農薬や肥料をできるだけ使わないほうが良いと主張されています。その方が安全面も申し分なく、そしておいしい本物の野菜や果物が できるのです。

無農薬栽培を続けた畑で何がおきているのか

木村さんは、自然と、作物の間に入って、その作物が自然と調和していく「仲立ち」をするのだといいます。発生した虫をとったり、酢をまいたり、手間がかかる自然栽培ですが、自然との共生、生き物との触れ合いなど、本物の農業の楽しみはここにあるのだと木村さんは述べておられます。木村秋則さんの畑では、ハダニを食べるカブリダニ、アブラムシを食べるハエやアブの仲間など、体長わずか一ミリから五ミリの小さな虫達が農薬同様の働きをしているといいます。木村さんもかつては家族総出で、毎日、毎日、害虫をとっていたそうです。しかし、それらは今では、「何処へいったのか?」と思うほどに消えています。30年前には、病気で八月末に落葉し、枯れ木のようになって、葉が落ちる音まで聞こえたといいます。しかし、今の木村秋則さんの畑では、リンゴの木が自分で、病気の患部を治療している姿が見られます。リンゴの葉が、病気の患部を枯らせて落とし、病気の拡大を防いでいるそうです。本来、リンゴは自分の力で病気を治せるのです。

木村秋則さんの自然農法

木村さんは、もっとも厳しい条件を超えて実を実らせるリンゴ達に感謝をこめて、全国そして海外をめぐって、自然栽培の必要性と可能性を多くの人々に広めています。大勢の農家が取り組むことで、より生産技術が確立されて、やがては日本全国で自然栽培が当たり前になる日を信じて、活動を続けておられる木村秋則さん。賛同者が一人でも多くなることを願うばかりです。どうかお体を大切になさって日本国民のために、ますますのご活躍を祈念いたします。そして、この情熱を受け継ぐ若い農家の出現を強く望みます。木村秋則さんの本が売れていくことで、さらに自然栽培が普及するとよいですね。

腐らん病がなくなった木村秋則さんのリンゴ畑

木村秋則さんの畑では、リンゴの大敵である腐らん病が、なくなってきたそうです。この腐らん病は、カビが原因でおきるリンゴの病気です。自然栽培のリンゴの木にはコケが生えてきます。もともと自然の木には苔が生えるものです。この苔がカビを寄せ付けないのだと木村秋則さんは考えておられます。腐らん病対策としては患部に泥を巻きつける、泥巻き法が昔から使われています。木村さんはこのほかに、わさびの抗菌成分を利用した「樹木の味方」という製品を活用されて、腐らん病を撃退しているそうです。黒星病の予防には、食酢を使っているそうです。酸度15%の廉価な醸造酢を希釈しながら、散布します。小麦粉の粉と糊をまぜた展着剤と一緒に散布すると効果的で、それも同じ濃度での散布では、病原菌が耐性をもつようになるため、希釈を二百倍から八百倍まで変えて使用するそうです。

農林水産大臣の無策

酢の効果的な使い方の研究に六年もかかったそうです。リンゴの生育状況と病原菌の進行状況を考えて、最適の濃度とタイミングで使うのだそうです。食酢は農薬と違って、体にかかってもまったく無害です。木村さんはこんな疑問を呈しておられます。それは、食酢を農薬の代わりに使用すると、特殊農薬扱いに分類されることです。同じ食酢を人が食べると健康になる食品なのに、散布すると農薬扱いとはおかしな話です。これは日本だけの法律だそうです。化学農薬製造業者へ有利になるように、酢を使う自然農法家に圧力をかける日本の農業行政のあさましさを感じます。こんなバカな法律があるから、日本の農業はダメなのです。木村さんは酢を何倍にも希釈して薄めて散布しています。同じ酢を人がたべると食品で、リンゴに散布すると農薬扱いとはまったくおかしな話です。農林水産大臣は何をしているのでしょうか。早く日本の農業関連の法律がまともになることを願うばかりです。

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