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木村秋則さんが日本の農業を変える
木村 秋則さんは、1949年、青森県に生まれました。もともと岩木町と呼ばれたその地は、岩木山神社がある聖地です。いまは弘前市となっています。平成の大合併のためです。弘前実業高校を卒業された木村秋則さんは20代前半から農業にとりくまれました。木村秋則さんも当初は農協のマニュアルどおりリンゴを栽培していたのですが、農薬の使用量があまりにも多いリンゴの通常栽培では、奥様やご家族に体調不良が出現しました。
そこで木村さんは農薬の害というものに直面されました。ご家族のため、無農薬農法を模索する決意をされた木村さんは、実際に徐々に農薬を減らしはじめました。自然の堆肥を使用する減農薬・有機栽培を始められたのです。しかし、完全な無農薬栽培の実現を理想とされた木村秋則さんは、完全無農薬・無肥料の自然栽培を開始されました。ところが、リンゴはまったく実を結ぶことなく次第に枯れ始めました。
木村秋則さんの「完全無農薬栽培」自然農法
それから10年近い無収穫時代を耐え忍び、農法の研究に明け暮れました。その間はトラック運転手など様々な仕事で収入を得てなんとか家族の暮らしを守りました。苦闘十一年、木村さんが40代前半の時についに完全無農薬・無肥料栽培のノウハウを確立、リンゴは豊かに実るようになりました。この木村秋則さんの自然農法を学びたいと願う全国の有志が集い、木村さんはいま、全国で指導を行って、世界にも講演に行かれます。その木村秋則さんを支えてこらえた人々との絆の物語です。とても感動的な書です。岩木山神社の神の化身とさえ思える崇高な理想を貫かれている木村秋則さんの足跡を学ぶ本書は、人生の乗り越え方を教えてくれます。人間が何のために生まれてきたか、気づきを与えてくれる本です。
病虫害を防いで無農薬栽培する秘訣
ナスとネギをいっしょに栽培すると病害虫が予防できることを知っていますか?他にもキュウリとトウモロコシ、ニンジンとタマネギ、カボチャと枝豆、それから、ジャガイモとインゲン豆も。このように植物同士の性質を利用して、組み合わせ栽培をすることで、無農薬栽培の効果を最大限に引き出すノウハウがあります。オランダなどでは、ひまわりを畑の周囲に植えることで、害虫をそちらにひきつけるという方法を用いて、無農薬栽培を実践していますが、この応用で、いろいろなやり方が存在するのです。このノウハウは、家庭でも簡単に無農薬栽培を成功させることができるでしょう。災害などで食料の供給が絶たれたときにも、家庭菜園がある人は、飢えをしのぐことができるかもしれません。そして、完全な無農薬での野菜栽培を実際にやってみることは大きな感動を生むはずです。専業の農家の方々にも本書はおすすめです。このノウハウを大規模な農園で活用すれば、あなたも無農薬有機栽培のブランド農家の仲間入りです。無農薬栽培による野菜や果実や米などの生産が増えれば増えるほどに、日本国民の健康が増進されるのですから、最高の慈善事業でもあるのです。
日本のすべての農家が無農薬栽培を導入すれば日本は良くなる
一日も早く、日本のすべての農家が無農薬栽培を選択し、工夫と知恵により、完全に農薬の害をなくしていくことこそが、日本の国のためになる良き道です。化学肥料も使わないようにしましょう。化学肥料を使うと、野菜は病害虫にやられやすくなります。すると農薬のお世話になることになります。化学肥料をやめて、有機肥料だけにすること。自然の堆肥だけを使うこと。それによって、病害虫に強い農作物が育つのです。さらに、本書で公開された、組み合わせのノウハウを活用して、より効果的に、病害虫を防ぐことができます。農薬や化学肥料などといった石油化学工業の恩恵など、もはや一切不要となるのです。それは、癌やアレルギーのリスクが限りなくゼロに近づくことを意味します。農薬により、癌になったり、アレルギーになったりする人々、特に子供達を守るためにも、こうした知識の普及がもっともっと促進されねばなりません。
木村さんのリンゴ 奇跡のひみつ
木村秋則さんが十年以上もの研究と試行錯誤のすえに、ついに完全な無農薬自然栽培でのリンゴ栽培を実現するまでの物語が、映画化されて現在DVDで入手できるようになっています。木村さんの奥さんの役を菅野美穂さんが演じています。木村秋則さんの役を阿部サダヲさんが演じています。ご本人も出演されています。映画というものは、見るものを感動させるストーリーですが、木村秋則さんの実話にもとづく感動の物語は映画になるべくして映画になったといわざるを得ません。むしろ、遅すぎたぐらいです。木村秋則さんが私達に示してくださる人生への向かい方は、おおいなるメッセージをもっています。人間は生きたお手本にふれることで、目をさますものです。木村秋則さんが日本全国をまわって、無農薬自然農法の素晴らしさを若い農家の人々に伝えていかれた結果、いまや、木村さんの志をついで無農薬自然農法を実践する農家が次々に生まれてきています。無農薬自然栽培はこれからの日本の農業の標準となるでしょう。この映画によって、さらに日本に普及することでしょう。木村秋則さんが奇跡のリンゴを実現するまでの流れが映画DVDでよくわかります。
現代の黄金のリンゴは木村秋則さんの奇跡のりんご
ギリシャ神話に、『黄金のリンゴ』というのが出てきます。それは、ヘラクレスが12の仕事の中で成し遂げたもので、ラドンが守るヘリオドスの園から、ガイアが生み出した黄金のリンゴをアトラスやプロメテウスの応援を受けて、見つけ出すお話です。この『黄金のリンゴ』とは私は木村さんの「奇跡のリンゴ」のことではないかと思うのです。とすれば、木村さんは現代のヘラクレスといえます。ヘラクレスがさまざまな試練を乗り越えて、黄金のリンゴを手にしたように、木村さんは常人になしえないレベルの試練を超えて、奇跡のリンゴを生み出したのです。日本だけではなく世界に、無農薬自然栽培の素晴らしさを発信している木村秋則さんは、この地球環境を救うためのガイアの使者ではないかと思えるのです。だからこそ、ガイア(地母神)の生み出した『黄金のリンゴ』すなわち「奇跡のリンゴ」を木村さんが生み出したのではないでしょうか。それがこの時期に映画化されるのも大いなる天意を感じるのです。地球と人類にすばらしいことがおこる前兆でありますように。