輸入再開された米国産の牛肉を使った牛丼ショップや焼き肉屋さんが、すでに増えてきています。一部はオーストラリア産に限定するなど措置をとっていますが、そうでないところは多いです。再開された当初、その牛肉に背骨が混入していたというニュースが流れました。アメリカに約束を守る気がなかったことがわかってきたのです。その後、ひどすぎるアメリカの牛肉検査体制が次第に判明してきました。 2004年から2005年の一年半のあいだに1036件もの特定危険部位除去違反が あったことがわかったのです。そもそも自国の基準すら守れない国に、自国基準よりもはるかに 厳しい基準を守らせることができるはずがないのです。しかもカナダ産の牛肉にもアメリカ産と同じ危険性があることもわかったのです。カナダ産もすでに輸入解禁されています。消費者は牛肉の産地を選べません。小売店では、精肉には産地の表示が義務づけられていますが、ハムやソーセージ、お惣菜、お弁当などの加工品には、原則として表示の義務がありません。このため、実際には私達消費者はすでにアメリカ産やカナダ産の牛肉を食べさせられているといえます。
ヤコブ病の蔓延
すでに日本国内でも、変異型ヤコブ病の犠牲者が出始めているのですが、それが報道されないのです。2006年の時点で、日本でBSEに感染した牛が27頭あり、さらに拡大していますが、それも報道されていません。 24頭目は黒毛和牛でした。 和牛は大丈夫という神話も崩れ去りました。牛丼ショップの牛はBSE検査されていないのです。 オーストラリア産の牛肉などに限定しているところは安全度が比較的高いでしょう。 例えば「S家」は、ホームページによるとオーストラリア産、 ニュージーランド産、メキシコ産の牛肉を使用しているといいます。しかし「Y家」のホームページには牛肉の由来についての説明がありません。 アメリカ産の牛肉を使用しているため、その話題には触れたくないのでしょう。欧州食品安全機関(EFSA)の発表によると国別の狂牛病リスクを4段階で評価したところ、 メキシコは上から2番目のGBRⅢ、アメリカも同じGBRⅢとなっています。メキシコ産の中にアメリカ産が混入している可能性もありそうです。 結論として、牛丼や牛肉加工品はできるだけ食べないにこしたことはないといえます。 および、焼き肉レストランのうち肉の産地を明確にしないところも危険がありそうです。 牛丼屋さんでは、やはり豚丼や親子丼を食べるほうが無難かと思われます。
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